今回は、年間受験者数266万人(2018年度 IIBCより)という超マンモス試験、TOEIC(ここではListening & Reading Test)の独学勉強法について、私の実体験をもとに解説致します。
まず、30代後半でTOEICに挑戦した私の当初の状態は、
☑留学経験なし
☑仕事では完全日本語使用
☑趣味の海外旅行時は地球の歩き方という神の書を携え、英単語の羅列でのりきる
☑初めてTOEICを受験した社会人2年目で400点半ば台。
Listeningはほぼ聞き取れずマークシートの塗り絵状態で壊滅的。
Readingは多少文法問題はできたものの、読解問題の大部分はほぼ手が付けられず、マークシートの塗り絵状態。
逆にいうと塗り絵でよく400点台まで出したな、という塗り絵のセンスを感じさせる結果。
そんな英語素人な私がTOEIC初受験から12年を経て、35歳を超えてからの再トライで1日平均1時間程度の独学を6か月こなし、800点を超えるレベルになりました。(1日あたりの時間をかければもっと早いかもしれません。)
ここでは、どうやってTOEIC800点達成したか、解説していきます。
TOEIC試験に取り組む前に理解すべきこと
TOIECの試験は、リスニング45分とリーディング75分の2時間試験。
内容はともにビジネスのあるシーンを英語で表現した内容です。
打合せのアポ、メールのやり取り、広告宣伝、仕事上のトラブル対応・・・などまさにビジネスシーンの一面が出題されます。
ということは、当然ながら、まず日本語でビジネスシーンを想定できることが大事です。
また、他の資格のような合否という2択ではなく、勉強した分、スコアに反映されるので、自分の成長度合いが見える化される試験なので、非常にモチベーションを高く維持できる試験です
⇒これ重要です。
一般的な資格試験は、例えば合格ラインが60点の場合、たとえ10点でも59点でも同じ不合格は不合格です。
TOEIC試験は小刻みに受ける
TOIECの受験者は、学生と社会人がほとんどです。
勉強している人、していない人とで明らかにTOEICスコアに差がでる試験です。
ですので、私もそうですが英語素人には最適な資格です。
やった分だけ伸びます。
また、TOEICの試験回数は他の資格と異なり、ほぼ毎月のようにあります。
いつでも受験できますが、逆にいうといつ受けたらいいのか迷います。
ここでは、目標とするTOEICスコア達成までに2,3か月スパンを目安に数回受験して目標TOEICスコア達成を目指すことをお奨めします。
理由は以下の通りです。
①短スパンでTOEIC学習のPDCAを回す
TOEIC学習に長時間かけた後に1発勝負で試験を受けた際、目標TOEICスコアから大きく乖離があった場合、乖離を埋めるのに従来のやり方を見直す必要があります。
そして、正しいやり方に気付くまで多大な時間を浪費します。
そのスパンが短いほど、早く修正でき、間違ったやり方を長時間続けることを回避できます。
これは後ほど記載します「PDCAを短スパンで多くまわす」という仕事の成功法則の1つと同じ考え方です。
②自分のTOEICレベルが短スパンでわかりモチベーションを維持できる
TOEICは頑張った分だけ、成果を早く知りたい、と思うのは皆さん同じでしょう。
TOEICは995点満点の点数制度なので、受験した試験の点数の経緯を把握することができます。
前回よりも今回の方が少しでも点数が伸びていれば、
「ああ~勉強した効果が少しでもあったなあ~」と実感できますね。
一般の資格だと合否の2択なので、ダメなものはすべて不合格という非常にショッキングな結果しか知らされません。
この「成果の進捗を実感する」ことが重要です。
私の実体験では、
☑学習前:TOEICスコア400点台
☑3カ月後:TOEICスコア675点
☑6か月後:TOEICスコア805点
と3カ月スパンで取り組んだ分だけ点数を伸ばしてきました。
仕事の成功法則として「小さな成功体験を積み重ねる」という考え方があります。
どんな小さな成功でも、成果を実感することが人のモチベーションを持続させます。
TOEICはコスパ良しの資格
TOEICは、人生の時間を投資するにあたって非常にコスパのいい資格です。
かかるコストは、正直市販のテキストだけです。
高額な費用を払って英会話レッスンに行く、予備校に通う、なんてことは全く必要ありません。
基本、独学スタイルです。
あとは人生の時間のうち、半年間で1時間/日ほどをTOEIC対策に充てるだけでTOEIC400点台⇒800点へ到達できます。
それにより以下の成果が生まれます。
①日常のリスニング力があがる
TOEICを学習を進めていくと、おそらく最初に成果が出るのはリスニングだと思われます。
TOEICのリスニング対策を進めてリスニング力がついていくうちに、比例して旅行や日常での英会話も聞き取れるようになります。
ですので、日常生活における行動範囲が広がります。
②ネクストステージへいける
TOEICを受験する学生や会社員の多くは、就職や転職、昇進に一定のスコアが必要であり、半強制的にTOEIC学習を始めることでしょう。
この機会を頑張って克服できれば、人生の次へのステージへ行くことができます。
TOEIC800点到達までの勉強時間
TOEICスコア400点台から800点到達までにかけた時間数はおよそ180時間です。
6か月かけたので1日平均1時間です。
この時間は、当初レベルによっても上下しますが、ここでは私自身の事例をもとに具体的に次回より紹介していきます。
TOEIC800点の難易度は高くない
素人がTOEICを受験して総勉強時間180時間レベルというのは、この独学ライフのサイトで紹介する宅建やAFPよりもはるかに少ない時間です。
はい、ここまで紹介すれば「TOEIC800点超えなんて、私でもできそうかも!」って思ってきませんか?
多大な費用をかけずに1日1時間を半年続けるだけで、TOEIC800点あれば大手企業の管理職基準レベルや英語を必要とする企業の就職基準をある程度満たせ、旅行でも英語に困らない。
もしかしたら街の飲み屋なんかでブロンドヘアーのイケメン、美女とも会話できるようになる!
まさにコスパ最高のTOEIC800点の具体的独学勉強法については、これから解説します。
TOEIC独学に自信がない方向け勉強法
これより、TOEIC400点台だった私が、30代後半から仕事をしながらTOEIC学習始めて、800点をクリアした独学勉強法を解説していきます。
とは言っても、
「これまで全く独学で勉強したことがなく、独学でやれるか不安だ・・・」
とう方には、正直言うと、無理に独学で勉強する必要はありません。
独学で合格できる人の前提は、「独学する習慣」があることです。
今だからこそ必要な独学力とは?
疑問にぶち当たった際、「自分で調べて考える力」がある人が独学で合格できる人なので、
「あまり自分には自信がないなあ・・・」
という方には素直にオンライン講座をおすすめします。
今勢いのある「スタディサプリ」はキャンペーンもやっていますので、ぜひ一度お試しください👇
TOEIC800点に向けた独学計画
ここからは400点台から800点突破に向けた具体的な独学勉強法について解説していきます。
①現状のTOEICスコアの把握
現状の自分のTOEICレベルを把握します。
これまで一度もTOEICを受験したことがない方は、一度過去問を解いてみましょう。
TOEICの場合、「過去問」と称したテキストはありませんので、TOEICのテスト開発機関であるEducational Testing Service(ETS)出版の「公式問題集」を使って採点しましょう。
この時点では全然できなくても全く問題ありません。
むしろ、どれくらいできないか?を把握することが重要です。
仮に問題集をやるのが面倒であれば、中学英文法と単語はわかり、高校で多少英語を勉強してきたレベルならこのまま進めて頂いて構わないと思います。
②目標TOEICスコアの設定
目標TOEICスコアを設定します。
私の場合、日本国内での外資系への転職ではTOEIC730点以上という情報をよく見るので漠然ととりあえず730点にしよう!と決めました。(特段、転職の予定もなく、昇進に英語が必要でもありません。)
私は、漠然と旅行や日常で英会話をするのに普通にリスニングできて話せるようになりたいだけでした。
これは仕事にも言えるのですが、ゴールが曖昧だとゴールに向かうための行動も曖昧になり、結果的にモチベーション維持が困難になり、いい結果が出なくなるのです。
重要なのは数値を設定して定量的なゴールを定めることです。
③(目標―現状)スコアの埋め方
目標TOEICスコアが設定できれば、次は現状との乖離を把握します。
(目標TOEICスコア)‐(現状TOEICスコア)=(乖離TOEICスコア)
をどのように埋めていくかが大切です。
仕事をしながら無理なく取り組めるペースで勉強時間を確保します。
私の実体験からTOEIC800点を目指すには、1時間/日を頑張って捻出します。
そして、この1時間の取り組み方ですが、必ず集中力が持続できる時間しかやらないことを心がけてください。
ダラダラ1時間では意味がありません。
例えば私の場合、30分の勉強しか一度に持続できないので30分やって休憩し、30分やるというやり方にしています。
本当に集中できる時間だけ勉強します。
④TOEIC独学勉強プランの作成
TOEICは毎日短時間ずつですが、地道な作業です。
モチベーション維持が非常に大変な作業です。
それには短いスパンで少しずつTOEICスコアを上げていくことがモチベーション維持には非常に効果的です。
少しずつTOEICスコアを上げながら、やった成果を実感する。
もし、目標TOEICスコアに足りなければ、やり方を修正する。
これを短期で行うことが無駄なく効率的に取り組む秘訣です。
それでは400点台からスタートする場合、以下の通り目標と達成時期を定めます。
☑現状スコア:450点相当
☑3か月後(90時間勉強後):中間目標TOEICスコア600点(150点UP)
☑6か月後(180時間勉強後):最終目標スコアTOEIC730点(130点UP)
※当初は730点目標でしたが、結果的に800点達成しました
TOIEC800点への独学勉強法(~3カ月)
TOEIC学習をスタートして最初の3カ月後の目標スコア600点突破を目指した独学勉強は以下の通りです。
時期 | 重点学習内容 |
1か月目 | とにかくTOEICに出る英単語をインプット |
2か月目 | とにかくTOEICに出る英単語をインプット とにかくTOEICに出英文法問題をインプット |
3か月目 | (前半)公式問題集をとにかくリスニング (後半)公式問題集をとにかく音読 |
TOIEC800点への1ヵ月目の独学勉強法(単語音読)
まずはじめに、TOEIC試験に出てくる英単語を習得します。つまり、ビジネスシーンでよく出る英単語を習得します。
日本語でもビジネスシーンで出てくる日本語を知らないと何の話をしているのかわからないのと同じ理屈です。
「今さら単語習得はしんどい・・・」と思いますが、ここをやらないとTOEICスコアはあがりません。
ではどうやってTOEICスコアを上げる単語を習得するのか?それには、神の書といえるくらい、素晴らしい単語帳が出版されています。
これ、最強本です。
この1冊さえやれば、TOEICテストは問題ありません。
なかなか他の資格の場合の勉強本を見渡してもここまで資格対策本として高い精度のものはありません。
この本は著者の長年の研究の賜物で感謝でいっぱいです。
まさにTOEIC試験に出る単語のみです。
これを以下のように進めていきます。
(中学英文法と単語はだいたい理解していることが前提です。)
☑1日目:1番~100番を繰り返し音読し、意味の確認をする(1時間)
☑2日目:1番~100番を1通り音読、101番~200番を繰り返し音読し意味を確認(1時間)
☑3日目:101番~200番を1通り音読、201番~300番を繰り返し音読し意味を確認(1時間)
・・・・
という流れで進めていきます。
1時間音読は結構ハードな作業ですが、ここは忍耐です。
このフェーズを乗り越えてこそ、次へ生きてきます。
この音読作業が驚くべき効果を発揮します。
理由は後ほど記載します。
必ず音読を繰り返してください。
1巡こなしてみて1回あたりのボリュームが増やせそうなら、100単語ずつを150単語ずつ等に増やしていきます。
その際、前日やった分の音読は間違った箇所のみやってください。
はじめの1か月はひたすら金のフレーズの音読です。
TOIEC800点への2ヵ月目の独学勉強法(文法音読)
1か月間、金のフレーズを音読しまくったら、2か月目は、今後はTOEICの文法問題集を音読します。
テキストはこちらです。
が最強本です。目から鱗の解法と出会えることができるでしょう。
こちらのTOEIC TEST文法特急を以下のように進めていきます。
☑1巡目:普通に解いてみて、回答を確認し、解き方を確認する。この時点で驚きの解法を習得できるはずです。
☑2巡目以降:音読を繰り返す。文法特急をこなす際、金フレーズも間違った箇所だけ繰り返し行います。ここでも音読です。
TOIEC800点への3ヵ月目の独学勉強法(リスニング)
これまで2カ月間、ほぼ音読に集中して取り組んできました。
3カ月前は、試験形式の以下のTOEIC問題集を使って取り組みます。
☑【3か月目前半】単語と文法がある程度理解しつつある時期になったら、リスニング力の向上のために、TOEIC公式問題集を使って、1partずつ自分の耳で聞き取れるまで何ども繰り返し再生し、都度音読します。1時間/日集中力が続く範囲でやります。
☑【3カ月目後半】公式問題集のリーディングpartについて解答を見ながら音読を繰り返します。図ります。
3か月目は、ようやくリスニングを集中的に行います。
TOEIC試験対策でなぜ音読を繰り返すことが重要なのか?
最初の3カ月はほぼテキストの音読中心の独学勉強法でした。
では、TOEIC試験対策においてなぜ音読を繰り返すか、音読の重要性について解説します。
言語学習は、視覚だけでなくできるだけ様々な感覚を使い頭に入れたほうが記憶に残りやすいと言われております。
これは、私のTOEIC独学勉強法の実践経験からも言えることですが、音読を繰り返し行っていると、ある日、別の問題を解いているときに、頭にふと音とともにフレーズが浮かんでくるのです。
また「TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)」で、単語とともに構成されるフレーズや文と類似した文がまさにTOEICテストに出てきます!
実際リスニングテストの音声で金のフレーズのテキストの文と類似した文が出てきました。
音読をしていれば、「あ、なんか聞いたことある文だな!」と気づき、問題が解けるようになります。
これが最強本であるが故なのです。
TOEIC試験1回目受験(中間目標チェック)
さて、これまでTOEIC試験対策を3か月間、1時間/日の学習を続けた末、これまでの学習方法がどうだったのかチェックを目的に1回目のTOEIC試験を受験します。
1回目のTOIEC試験は以下をチェックしてください。
☑part1~part4:どれくらい聞き取れたか
☑part5とpart6:どれくらい解けたか
☑part7:どれくらい解けたか(あまり気にしなくてよい)
大事なのは、part1~4がどれくらい聞き取れたか?です。
これまで音読とリスニング中心の対策をしていると、勉強スタート当初と比べて、大幅に聞き取れる問題が増えていることが実感できれば順調です。
逆に、まだまだ聞き取れない場合、音読&リスニングが足りていないので、さらに反復練習が必要です。
この時点では、part5以降はあまり気にしなくていいです。
ここは残り3カ月で上げていくパートなので、今は、part4までを集中的に取り組みます。
【私の結果】
・結果:L345,R330,計675 中間目標TOEICスコアをクリア
・実際の手ごたえと反省はこんなかんじです👇
①リスニング
part1,2は概ね聞き取れた。
part3,4は半分くらいの感触
→これまでの単語、文法の勉強の成果でpart1,2はとれていたので、ここまでのTOEIC対策の方法が良しと確認。
一方part3,4壊滅的。
それはまだトレニーングをしていないため、これからの伸びしろです。
②リーディング
part5,6は概ね解けた。
part7はシングルパッセンジャー全問、ダブルパッセンジャー1題程度は解けた
ダブルパッセンジャー、トリプルパッセンジャーの残問題は塗り絵。
中間目標TOEICスコア(600点)をクリアできれば、
☑ここまでのTOEIC勉強法に確信をもつことができ、モチベーション維持できること
☑同時に、これからの伸びしろを確認できること
上記を実感することが学習を持続するには大切なことです。
達成できなかった場合でも、スタート当初よりは点数は伸びているはずですので、足りなかった分を再チャレンジです!
TOIEC800点への独学勉強法(~6カ月)
1回目の目標スコアをクリアできたら次のアクションは、成果が早く出やすいリスニングを先に強化し、次にリーディングを強化します。
TOEIC対策4ヶ月目〜6ヶ月目は公式問題集を増やして以下の順に取り組みます。
☑リスニング:リスニング→意味確認→シャドーイングの反復練習
☑リーディング:意味確認→音読
これをひたすら繰り返します。リスニングは1題ずつ徐々に聞き取れるようになることを実感しながら繰り返し進めます。
公式問題集はコチラ
TOEIC試験2回目受験
1日1時間6カ月間TOIEC音読を中心に反復練習してくると、少なくともリスニングはだいたい聞き取れるようになれます。
一方で、リーディングは試験問題を全て読みこなすレベルには至らないと思いますが、それでも目標とするTOIEC800点はクリアできます。
ちなみに私の実体験は以下でした。
☑結果:L445,R360,計805
遂に800点を超えました!!
☑実際の手ごたえはこんなかんじです。
①リスニング
⇒全体を通してほぼ聞き取れた
②リーディング
⇒トリプルパッセンジャーは依然としてすべて塗り絵、前回より伸びがあまりない。公式問題集より実際試験の方が難しい印象を受けたので新たな対策が必要。
TOEICはリーディングが全部解けなくても800点は超えられます。
以上は私の体験記をもとにしたTOEIC800点の超え方です。
1時間/日という現状のライフスタイルに極力影響のない範囲でTOEIC学習を半年継続すれば、800点は超えることができます。
皆さんもぜひ参考にしていただければと思います。