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山林保全奮闘記②「1個人が挑む保安林化プロジェクト」

投稿日:2019年6月1日 更新日:

皆さん、こんにちわ。

これまで藁をもつかむ思いで模索し、たどり着いた可能性は「山林不動産の保安林化」

今回は、いよいよ前例のない一個人が挑む保安林化プロジェクトについて掲載したいと思います。

1個人 VS 日本国家

先に結論からいうと、申請した山林不動産のうち、なんと70%もの山林不動産が保安林として認定されました。しかも、一個人、民間人からの申請はそもそも前例がないらしく、歴史に名を刻むことになりました。

今回は、山林不動産の保安林化までに、どのような手続きや準備を進め、どのくらいの期間がかかったか、実体験をもとに記載したいと思います。

保安林申請の必要様式

①申請書

保安林申請にあたっての様式ですが、必要事項を記載し準備を進めます。

②図面(位置図):図面に隣接地番、樹種、林齢、樹種界を記載

まず指定する保安林の場所を明記するために位置図が必要となります。

位置図は、県の土木事務所から入手することになります。
さらに、指定する保安林の樹種や林齢を明記します。

樹種や林齢は、土木事務所で「森林簿」という山林を調査して記録されたものが管理されており、そちらを請求します。ある調査時点での各々地番の林種、樹種界(スギ、ヒノキ、広葉樹)、林齢、樹高・・・など各種森林に関する情報がわかります。しかし、こちらは正確なものではないことから現地で現況を把握することを求められます。→これが大変なんです!

③地番ごとに樹種別面積、林齢の一覧表を作成

指定する保安林の地番ごとに樹種別の面積、林齢の一覧表を作成します。

こちらは森林簿にそって作成します。

④写真(申請範囲全景がわかるもの)

指定する保安林の写真も掲載します。

まず、全域がわかるものとして、航空写真を土木事務所へ請求します。
次に現地での写真もある程度必要とのこと。→これが大変です!

膨大な山林を登り写真撮影することなります。

⑤全ての地番の登記簿謄本(登記簿謄本に記載されている所有権者と申請が異なる場合は、所有権者の同意が必要)

指定する保安林の登記簿謄本を全て揃えます。

登記簿謄本は法務局で請求します。さらに権利者が複数者にわたるため、山林の所有者である親戚関係者、そして前回設定した地役権者である電力会社、各々から同意書を得ることになります。

保安林指定の申請フロー

保安林について、国からの認定ではなく、個人の申請による手続きの場合、以下のフローで進めることになります。

①保安林指定申請書一式の提出

保安林指定申請書一式の受付(県)

③保安林の指定申請された山林の調査(県)⇔県の森林審議会への諮問

④保安林指定に向けた申請書進達(県→農林水産大臣)

⑤保安林指定にあたっての適否審査(農林水産大臣)⇔中央森林審議会への諮問

⑥保安林指定予定通知(農林水産大臣→県)

⑦保安林指定の予定告示、森林所有者への通知→(30日以内)→異議意見書の提出

保安林指定の予定告示の報告(県→農林水産大臣)

保安林指定の指定告示、知事への通知(農林水産大臣)(⑦より40日以上経過)

保安林指定通知(県→申請者等)

それでは実際私が行った実体験の流れを掲載します。

保安林化までの実体験記

保安林指定への必要様式の収集開始(開始1年目 夏)

土木事務所でたくさんの助言をいただき、さっそく保安林指定に向けた必要様式の収集を開始。

法務局に行って登記簿謄本を全て揃えたり、利害関係者への同意書を作成し、同意を得に出向いたり、山林資料を作成のため、土木事務所で図面や森林簿、航空写真などを揃えます。

現況調査開始(開始1年目の冬)

保安林指定申請に必要な登記簿謄本等、入手すべき必要様式は入手完了。
次に、森林簿との現況の違いを確認するため、登山し現場撮影を行います。
これが大変です!
普段、登山などしたことがありません。
はい、まさに体力勝負です。
GISで出力された地図を片手に、山林不動産に足を踏み入れ、撮影開始です。
最初は頑張っていたものの、後半バテテきて、前半より適当な撮影に・・・。

保安林申請(開始1年目の春):フロー①、②

大変な撮影作業を終え、様式一式と写真を揃え、保安林指定申請様式一式を送付。

申請様式の修正依頼(開始1年目の春):フロー③

保安林指定申請書類の記載不備、さらに、膨大な山林のため、現況調査を一部簡略しちゃえ~~と、森林簿情報のみを頼りに記載した書類に対して、案の定、指摘が入りました・・・。
「このエリアの植樹は違いますと。図面上できちんと記載してください」と。
「膨大なエリアですが、きちんとチェックされるんですね・・・。」
素直に指摘指示に従い修正作業実施。

保安林指定に向け2回目の申請(開始1年目の春)

修正内容を完了し、再度保安林指定申請を実施

保安林指定申請に向け3回目の申請(開始2年目の秋)

土木事務所での審査協議を得て、申請の仕方で助言がありました。

保安林の指定目的が「土砂崩壊防備保安林」に指定すると、皆伐ができなくなり、今後、伐採による木材利用はできなくなるので、皆伐のできる「土砂流出防備保安林」に指定したほうが良いのでは?との議論が土木事務所内で出たので、その方向で県庁と協議してみる、とのこと。
いやあ、親身なって議論頂き、大変ありがたいことです。感謝の意を胸に、こちらはただただ祈るのみです。

県から農林水産大臣へ保安林指定申請(開始2年目の冬):フロー④

同年、冬、県から農林水産大臣へ保安林指定申請が完了しました、との連絡が来ました。

農林水産大臣から県への保安林予定通知(開始2年目の冬):フロー⑥、⑦

年が明け、朗報のメールが職員さんから入りました!
農林水産大臣から県へ保安林指定に関する予定通知があった!と。
ついに、ついに、国に認められたのです!!
あとは異議が出ないことを祈るのみ・・・。

県公報へ登載(開始2年目の春):フロー⑧

県公報へいよいよ保安林指定に関して掲載されます。ここで異議がなければ国へ報告されます。
(200日以上かかる場合あり)

官報に保安林確定通知搭載(開始3年目の冬):フロー⑨、⑩

ついに!ついに!国から保安林確定通知が官報に登載されました!

そして、なんと!農林水産大臣から私1個人宛へ確定通知書が届きました。
申請の準備から足掛け2年4ヵ月の歳月を経て、ついに、我が山林不動産は保安林となりました。
ただし、一部周辺保安林と隣接外のエリアや指定目的に該当しないエリアは対象となりましたが、おおよそ全体山林資産の70%ほどは保安林となりました。

これまで膨大な山林不動産情報の収集から悪戦苦闘しながら準備を進め、そして、保安林化に向けて一個人のために親身になってご対応頂いた土木事務所の方々、関係者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。

残りの3割の山林不動産は引き続き自己管理となりますが、負担の大きさを考えると当初と比較すると、はるかに軽減されました。

今回、前例のない状況でも、1個人が保安林化を成し遂げた経験を山林相続奮闘記、売買奮闘記、保全奮闘記をシリーズにわたって掲載させて頂きました。この経験が少しでも世の役に立てればと嬉しく思います。

 

 

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